毎年12月3日から12月9日は、「障がい者週間」です。障がいのある方の、福祉について関心と理解を深め、障がいのある方が、社会のあらゆる活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的として定められています。
ほほえみ会は、2026年に、障がい事業を始めます。なぜその思いに至ったのか。それは、いつか、お伝えできる場があればいいなと考えています。ただ、ほほえみ会が、設立当初から目指しているのは、地域共生社会の実現です。年齢に関わらず、性別に関わらず、そして、病気や怪我、障がいの有無に関わらず、共に生きる、共に老いる、地域社会を作ることを目指しています。そのための新たな一歩として、2026年に障がい事業を始めます。
まず、ほほえみ会では、就労継続支援B型の事業所(名称「アルコ」)をつくります。そして、そこで行う主な仕事の一つは、植物の育成と管理の仕事の支援です。ハイドロカルチャーを使用して植物を育成し、屋内環境を植物で、そのシステムを配置し管理する仕事を、利用者様に担っていただきます。その緑化システムは、愛知県豊橋市に本社がある(株)プラネット様との協働で配置、管理を行います。園芸療法という考え方にヒントを得て、既存の高齢者施設の屋内緑化を行い、利用者様だけでなく、職員や、地域住民の皆様に、植物の持つ様々ないい影響を伝えていきたいと考えています。



園芸療法の効果は、様々挙げられています。精神面(ストレスの軽減、認知機能の改善、植物を育てる達成感、責任感による意欲向上)や身体面(作業による運動能力や体力の維持、増進)だけでなく、社会的な意義(植物を介したコミュニケーション、収穫祭やマルシェ等)もあると言われています。植物を通して、高齢、障がいの利用者様と、地域の皆様を繋げる、架け橋となるよう、設立します。



また、就労継続支援事業所として、アルコは、緑化システムだけでなく、利用者様の特性を生かして、様々な仕事にチャレンジしていきたいと考えています。緑化システムで作ったハーブなどによる加工品製造や販売、また、雑貨やアート作品も作っていきたいと考えています。雑貨はともかくアート? アートというと、大仰に感じるかもしれませんが、最初は、小さな階段を一段一段登ることからできれば、と思っています。例えば、ですが、この絵を見ていただけますでしょうか。

これは、ご覧の通り「桜島」の絵です。そして、作者は、障がいを持っています。この絵に出会ったのは、偶然でした。障がい者の作品だと思って見たわけではなく、偶然目にして、「桜島だ」と惹かれたのです。鹿児島に住んでいる鹿児島県民は、様々な桜島を見て育ちますよね。実際の朝夕晴雨四季折々の桜島、絵筆やデジタルで描かれる桜島、人の言葉や文字で表現される桜島、そして、自分の心にある桜島。皆、思い思いの桜島を持っています。もちろん、私の中にも、私なりの桜島があります。その上で、この作品を見て「いい桜島だな」と感じました。




明るく、ほのぼのとした色調で、でも力強さもある。空も、噴煙も、フェリーも、錦江湾も、一緒になって一枚絵となっていて。障がい者が描いた絵だからではなく、桜島へ思いをもつ、一鹿児島県民として、いいなと思いました。
アート、と言ってしまうと、少し、敷居が高く、難しく感じるかもしれませんが、人の心に「いいな」と思ってもらえる作品作り、というふうに考えています。そして、すぐに、この桜島の絵のような作品ができるとも思っていません。その方なりの好きなことを見つけて、できるを見つけて、それが、自分らしさをとして表現していく、手助けになりたい、そして、その良さを、社会に広く伝える、架け橋になりたいと、考えています。そして、それがいつか、ご本人の自立へとつながるようにと、強く願っています。
年齢も性別も病気、怪我、障がいのあるなしに関わらず、地域の皆様が、共にいき、共に老いることのできる、あたたかい地域社会の実現に向けて、ほほえみ会は、これからも誠意を尽くします。
